クアラルンプール photo snap in 2007


 2007年6月30日から7月4日にかけて、クアラルンプール"Istana Budaya"で「The Kuala Lumpur Music Festival 2007」が開催されました。私は、フェスティバルに出演するイラナさん(馬頭琴)の演奏曲「スーホの白い馬」を、シンフォニーオーケストラと馬頭琴のためにアレンジし、そのリハーサルに立ち会うため、クアラルンプールに訪れました。残念ながら本番7/2は日本での仕事のため、本番前日7/1に帰国したのですが、現地入りしてから急遽6/30のオープニングで私も演奏をすることになったり、リハーサル、オーケストラとの打ち合わせに追われ、帰国寸前まで忙しい日々となりました。
数少ないフォトスナップをまとめてみましたので、宜しければご覧ください。
 
フェスティバルのチラシ↑

<6月27日>

6/27、朝10:30に成田を出発、定刻どおり16:40にクアラルンプール空港に到着。クアラルンプール空港といえば、オランダのゴッホ新美術館も設計した国際派建築家、今は亡き黒川紀章さん設計。明るい解放感のある黒川さんらしいデザインの空港でした。


ホテルにチェックインしてから、会場「Istana Budaya」へ。会場に入ると、いきなり爆音でアース・ウインド・アンド・ファイヤーの「Let's Groove」が耳に飛び込んできました。客席はバルコニー席もあるオペラハウスのような作りで、舞台上では、EW&FをBGMに、照明や舞台セットなどの仕込みが手際よく行われていました。 心地良い緊張感の中、いよいよ始まるんだというスタッフの人たちの意気込みが伝わってきます。気持ちの良い瞬間です。


 
会場を後にして、夕食へ。夕食後はオーガナイザーの人たちが地元で美味しいと評判の果物・デザート専門のお店に連れていってくれました。マンゴーがふんだんにトッピングされているかき氷を食べました。

右の写真は、レストランそばの露店で販売していた果物です。


<6月28日>

↑マレーシア・ナショナル・シンフォニー・オーケストラとのリハーサル初日。
オーケストラのサウンドが暖かく優しく会場全体に響き渡ります。

イラナさんとオーケストラのリハーサル開始。しかし...、開始直後、指揮者がケガをして病院に運ばれるというアクシデント発生してしまいます。張りつめた空気の中、急遽コンサートミストレスが指揮台に上がって、リハーサル続行されたのですが、続きはまた指揮者が病院から戻ってから...ということで、2曲だけで終了してしまいました。この段階で、まだ「スーホの白い馬」は演奏されず...。

その後、6/30に行われれるオープニングで急遽私もプレイで参加することが決定します。曲は、伝説的なP.Ramleeが作曲したマレーシアの皆が愛する「Getaran Jiwa」。とても大事な曲ということで、別室に置いてあるピアノで私が即興でプレイしながら、このフェスティバルオーガナイザーであるマレーシア政府、オーケストラ責任者等と、アレンジ打ち合わせをしました。

夕方からは、オープニングに出演するたくさんのアーティスト達(オープニングに出演するミュージシャン、ダンサーなどは、ほとんどがマレーシア在住)が続々と集まり、オープニングのためのリハーサルがスタート。舞台監督の指示のもと、おおじかけな舞台装置などを使いながら、出演するタイミングや流れの確認などが行われました。




<6月29日>

14時から、Istana Budayaのステージ上で、南洋商報のSim Siaw Chengさん(www.nanyang.com)からインタビューを受け、15時ごろからは、オープニングのためのリハーサルがスタート、夜遅くまで延々と続きます。




リハサール終了後、「せっかくクアラルンプールに来ているのだから、どこか行きたいところある?」とオーガナイザーから聞かれ、ショーンコネリーとキャサリンゼタジョーンズ主演の映画「エントラップメント」の舞台となり、以前から是非ここだけは訪れてみたいと思っていた「ペトロナス・ツインタワー」に車で連れていってもらうことにしました。
金曜の夜ということで街にはたくさんの人たちが繰り出し、活気があふれていました。

ちょうど、マレーシア全土は年に一度のメガバーゲンシーズン中で、もし時間があったら衣装用のシルクの洋服を見れたらいいなぁ...と密かに思っていたのですが、夜遅かったので、残念ながらショッピングセンターはすべてクローズ、でもタワーの前で記念写真を撮ってきました!!
 



<6月30日>

オープニング当日。朝10時からまたもやリハーサル開始。マレーシア政府が主催するフェスティバルのオープニングショーで、各国から重要な人物が見に来られるということもあってか、また、舞台も大仕掛けなので、リハーサルを念入りにやるというのはわかるけど、昨日からオープニングだけの通しリハーサルがもう7回目。ちょっと多すぎるのでは...と思っていたのですが、オーケストラの団員の方の話によると、マレーシアでは、リハーサルの回数が多いのが普通なのだそうです。お国柄ということですね。。。

午後からは、本番までの空き時間に、イラナさんとオーケストラのリハーサルが行われる予定でしたが、予定変更....。なんと!!!私の滞在中にはリハーサルが行われないことになってしまいました。それで、急遽、新指揮者(指揮者はケガから復帰できず、本番でもコンサートミストレスが指揮することに... )と、別室でピアノと馬頭琴を使って打ち合わせすることに。今回私はイラナさんの音楽監督として同行していたので、私がアレンジした曲以外の、他アレンジャーがアレンジした曲も含め全曲のオーケストラ・スコアーを指揮者と一緒に見ながら、譜面で表しきれないニュアンスや演奏方法などを細かく伝えたり、テンポの揺れや、演奏のタイミングやアレンジの細かいチェックをしました。あとは本番、日本で成功を祈るばかりです。


夕方からマレーシアの伝統的な服を身にまとったお客さん達が続々と会場に集まってきます。数日前から行われていた独特な飾り付けが完成した建物内では、若い人たちによる伝統音楽の演奏が行われる中、フェスティバルグッズが販売されたりしています。

オープニングが開幕。(オープニングの風景は、こちらからダウンロードにてご覧下さい!;南洋商報より)
 
FESTIBAL SCEAN

演奏した「Getaran Jiwa」は、たくさんの方から良かったとの声をいただきました。良かったです!!オープニングは大成功、楽しいひとときはあっという間に幕を閉じました。
打ち上げ後、ホテルに戻って、再度、指揮者に伝え忘れたことをスコアに書き込んだりしてから、荷物をまとめ、そろそろ遠くの空が明るくなり始めたクアラルンプールの素晴らしい夜景を心に焼き付け、就寝。



<7月1日>
  朝早く、ホテルを出発、クアラルンプール・セントラル駅でイラナさんやオーガナイザー等と別れを惜しみながらも、KLIAエクスプレスに乗ってクアラルンプール空港へ。もう時間がぎりぎりだったので、空港では買物や両替をする間もなくチェックイン、飛行機は11時に飛び立ち、19:10、無事帰国しました。


今回、初めて訪れたマレーシアで、オーケストラの団員をはじめ、たくさんの地元のミュージシャンや様々な人たちと友達になりました。皆暖かく気さくで親切な人たちばかりでした。やはり音楽は国境を越えるものですね。貴重な体験をたくさんできました。
残念ながら立ち会えなかったイラナさんのオーケストラとの演奏も、フェスティバル全体も無事終了、成功を収めたそうです。

近い将来、 鬼武トリオ with シンフォニーオーケストラで演奏できたら嬉しいなぁと、アレンジのアイディアが膨らむ毎日です。



2007年11月25日(日) 鬼武みゆき